歯科医師を目指す女子大生 ~広島の女No.1~

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「僕はね、正義の味方になりたかったんだ。」
 
Fate/zero 衛宮切嗣』 より
 
 
 
 
6月某日 【10:30】とある居酒屋
 
ある金曜日の夜、職場の同僚とお酒を酌み交わしていると、突然romeoの会社携帯が鳴り出した。
なんだ、またトラブルでも起きたのか?休日出勤とかだったら嫌だな。なんて思いつつ、電話を取る。
 
「romeo、今からクラブ来いよ」
 
職場の上司からだった。
クラブ内からの電話らしく、騒音で何を言っているのかわからなかったが、romeoは二つ返事でこれを承諾した。
 
「わかりました、30分ほどで着きます」
 
普段なら、こういった突発的な誘いは断っているのだが、ここ最近のromeoは職場での業務に忙殺され、彼女+既セクのサイクルに甘んじていた。
新規のピックアップにはいい機会だと思い、このイレギュラーな誘いに応じた。今日のオープナーは何にしようかな、なんて考えながら、同僚に本通りまで車で送迎してもらう。
パルコからアリスガーデンを通り新天地公園へ。流川通りを迷いのない歩みで闊歩する。
黒服のキャッチに水商売の女、爆音でクラブミュージックを流しているDQN車。50代のサラリーマンが、明らかに20代前半の女と手を繋ぎ、ラブホテルに消えていく。
今日もいつもの流川だ。
金曜日ということもあって人が多い。広島は極端な街だ。金土の夜は遅い時間でも賑わいを見せるが、それ以外の曜日は10時以降で死んだ街となる。
県民性が勤勉なのかな、なんてことをぼんやり考えていると、目的のクラブに辿り着いた。
 
【11:00】L箱
 
エントランス前で女3人、男1人のグループがもたついているのにイラつきつつ、慣れた足取りでエントランス料2000円を払いクラブ内へ。さっきのグループの冴えない男1人は、今日は何がしたくてクラブに来たのだろう?俺は今日やれる女、アポの価値のあるスト高の女が目的だ。
自分の目的をしっかりと確認し、ロッカーにスーツの上着を預けてフロアに入っていった。
 
人の入りはそこそこと言ったところか。金曜日の夜にしては、今まで来た中で一番少ないかもしれない。だた、声掛けするには問題がはないレベルだろう。おっと、まずは上司のところに顔を出さないと。
 
バーカウンター近くで騒いでるスーツ姿の野郎4人組を発見し合流。彼らとromeoとは圧倒的な目的の違いがある。彼らは音楽と場の雰囲気を楽しみに来ている。romeoはセックスの相手を探しに来ているだけだ。時間を無駄には出来ない。しばし一緒に踊る。適度に酔いも回ってきたところで適当に低ストを見繕い、スキル気配遮断を発動し離脱する。
 
さぁ、ゲームの始まりだ。
 
【24:00】
 
フロア脇のレディースシートにいる2人組を発見。スト値は5.0、6.0。男が1人で果敢にアッタクしているが、あの様子だとフック出来ていない。すぐに崩れるだろう。
案の定、男は居心地が悪そうな表情で退散していく。ふむ、腕試しにはちょうどいい。格の違いを教えてやろう。
 
「やぁ、俺って芸能人だと誰に似てると思う?」
 
相手の顔を強制的にこちらに向けさせる。そこに満面の笑顔を用意する。
 
「○○!」
「よく言われるんだw しかし可愛いね、俺がゲイじゃなかったらタイプだったよ」
 
オープン。トークの比重を意識しながら逆3で和む。5.0は大阪在住、地元に帰省で戻ってきているとのこと。彼氏無。6.0は広島在住、夜の仕事、彼氏はいるが、関西との遠距離恋愛のため、寂しいとのこと。ターゲットは6.0だな。金髪ショート、細身で雰囲気は高橋真麻といった感じ。嫌味にならないよう、間接的に自分の価値を伝えていく。ネグを織り交ぜながら、恋愛遍歴を聞き出していく。相手からの質問も増える。充分な食いつき。ここで一旦クローズしよう。
 
「友達に、なりたいんだ」
 
ルーティーンなのは最終回。
番ゲ。
 
【24:30】
 
先ほどより人が増えてきた。フロア入り口付近をサージングしていると、逆3で和んでいる2人組を発見。トークに入れず暇そうにしている子にルーティーン直死の魔眼(目線ギラ)発動。目が合う。風早くんスマイル。笑顔が返ってくる。
 
「こっちにおいで。一緒に飲もうよ」
 
壁際にボジションを取り、和みトーク開始。スト値6.0、20歳、呉在住。声優で言うと微妙に大坪由佳似。彼氏とは昨日、相手の浮気が発覚して別れた。今日ははっちゃけに来たとのこと。即系の匂いがする。確実にナンバークローズまで持っていかなければ。
自己開示をしつつ、相手の理想の男性像を探る。リードしてくれる男が好き。よし多少強引にいくか。手繋ぎからボディータッチを増やしていく。相手からも反応が返ってくる。えくぼルーティーン。IOIは充分すぎるほど確認出来た。
このまま連れ出してもよかったが、この日の即に加えて、準則案件もストックしておきたかったので、なのはルーティーンでナンバークローズ。
 
「前の彼氏のどこがよかったの?」
「んー、相性♡」
 
完全な即系である。放流し、手堅い準則案件を手に入れたことに気分をよくしながら一服。すると目の前で2人組の片方がバーカンに攫われていく。残った子と目が合う。
 
「友達攫われちゃったね(笑)一緒に飲もうか!」
「うん♡」
 
スト値5.0、歯科医師志望の大学院生。彼氏無し。
使い慣れたルーティーンで恋愛遍歴を聞き出す。付き合った人数は2人。色々と聞き出していると、どうにも堅そうな案件に感じる。
だがなんだ、この圧倒的なIOIは?どれ、少し試してみるかと、いつもは意識的に控えている店内ギラ発動。
 
キス。成立
 
舌を入れる。
 
ベロチュー成立。
 
「2人で外で飲まない?」
「うん♡」
 
完全に仕上がっていた。友人の承諾を得るとのことで一旦別れてロッカー前で待機。romeoは職場の上司には一言も声を掛けない。無事承諾を得たとのことで2人でクラブを後にする。
 
【26:00】某LH
 
クラブを後にして、何も言わずに手を引き目的地に向かっていく。
 
「どこいくのー?」
「さあね?」
 
会話をまともにする気はない。完全に状況は仕上がっている。
LHの前に到着。
 
「ようこそわが家へ!」
「え…いきなりホテルはちょっと…」
 
形式グダなのはわかっている。俺とホテルに入る理由だけ与えてやれば、自然と雰囲気はセクに傾く。
 
「○○が嫌がることはしないよ。」
「前まで来ちゃったし、とりあえず入ろう」
 
脆くも崩れ去る形式グダ。
部屋に入ってからはいつも通り。何度も繰り返ししてきたことを実行するだけ。このLHに関してはアメニティから照明の調整、BGMの設定まで全て把握済み。先ほどの言葉じゃないが、文字通りわが家に連れ込んだようなもの。
間接照明を完璧な雰囲気に調整、BGMのボリュームを上げる。ソファでいちゃいちゃ~流れるようにベッドにエスコート
 
だがここで予想以上のグダ。
 
「嫌がることはしないっていったじゃん…!」
「俺とするのが嫌なの?」
「そうじゃないけど…」
 
意味不明だ。俺としたいのは間違いない。ではなぜグダる?一瞬の間に全力で思考する。リーセグダか?いや、それはクラブで確認済みだ。彼女は今日リーセデーではない。なぜだ?考えろ。
一つの仮説に思い当たる。いや、たがそんなことがあるのか?いや、しかしこの性行為に対する拒絶はもしや?romeoは優しい口調で、直接的に聞いてみることにした。
 
「もしかして、初めて?」
「…うん」
 
まさかの初モノだった!romeoはこのシチュエーションに歓喜した!ストリートと違い、クラブではクラブに来る女性しかターゲットに出来ない。そんな環境下において初モノの彼女と出会えたことは奇跡に近い。
この勝負に負けるわけにはいかない。今まで培ってきた技術の全てを駆使して、処女グダを解放してみせる。
 
「初めての相手が俺じゃ嫌かな?」
「○○のことを特別に思ってる」
「もし、本当に怖くなったら途中でやめよう」
 
キスをしつつ、一歩進んでは二歩下がるを繰り返す。ゆっくり、ゆっくりと彼女の心を溶かしていく。彼女は笑顔で、でもどこか不安げな表情でこう言った。
 
「うん、…いいよ。優しくしてね///」
 
そうしてromeoは、過去最高に、、丁寧に丁寧に、、、即を決めた。
 
 
 
翌朝、彼女と色々な話をした。大阪から歯科医師を目指し広島に来た彼女。romeoにはよくわからないが、研修等、なかなか大変らしい。両親も歯医者。かなり大事に育てられてきたのだろう。どことなく、品を感じさせるのはそのせいか。過去に付き合った男性とは性交渉はなかったと言うから驚きだ。直前で怖くなってしまう。そうして、男性は心も離れていってしまうのだそうだ。
おすすめの歯磨き粉やら、正しい歯磨きの仕方をレクチャーしてもらった。
 
「ありがとう、初めてが○○でよかった♡」
「そりゃどうも(笑)」
 
romeoはどんな女性であっても、即した相手には嫌な気分になってほしくない。romeoと肌を重ねられてよかったと、心の底から喜んでもらえるような、そんな魅力的なPUAになりたい。
今回は、その目標の一端に触れられた気がする。そんな一日だった。