六本木クラブV2にてナンパ-GW初日の夜-

5/2、GW初日

六本木の夜に4人の男たちが、ただ一つの目的のために集結した。

転勤先の広島から帰ってきたばかりのロミオ、その旧友カトケン、後輩のしんご、カトケンの友人で、普段は渋谷のクラブを主戦場としているイワセ。

彼らの目的はただ一つ、即である。

 六本木の夜で一番のスト高と即るのを夢見て、俺たちは日本一のチャラ箱V2のエントランスをくぐった。

 

【22:00】V2 TOKYO

 

GW初日の土曜日、混雑を懸念して開幕ダッシュで入店。タバコをふかしながら、キックオフのタイミング今か今かと待ちわびる。

 

【23:00】

 

このあたりから徐々に人が増え始める。

今夜は10段階評価で8以上と即る気はないが、アップがてら声かけ開始。

3・7のツーペアにしんご君と声かけ。

お気に入りの愛と恋の違いオープナーから導入。

 

「やぁ、教えてほしいんだけど、愛と恋の違いはなんだと思う?」

 

ウケてオープン。

ルーティーン交えてしばし和み。

ファイブクエッションから自然な流れで番ゲ~放流。

基本方針は3:00まで番ゲ~放流を繰り返し、以降連れ出し打診。

一つの案件に時間をかけすぎないよう意識して行動していく。

 

【24:00】

 

人がゴミのようだ。

これが六本木の夜か、、、人が多すぎて身動きが取れないほど。

後述するが、この混雑の中でポジション取りを優先して行わなかったのは失敗だった。

エントランスとホールを繋ぐ通路にて5・8ツーペア発見。

3秒ルール発動、イワセと初タッグにて声かけ。

ロミオが5を担当。

不動産業界、新卒1年目、彼氏なし。

派手にネグをかましながら和んでいく。

 

ロミオ「ありきたりな苗字だなww俺と結婚して姓を変えたほうがいい」

5「なにそれwww苗字なんていうの?」

ロミオ「○○(日本で一番メジャーな苗字)wwwww」

5「変わらないじゃんwww」

 

15分ほど和んでナンバークローズ。

さすがにイワセは渋谷のクラブで慣らしてるだけあってクラナンを心得てる。

 

【24:30】

 

窓際の喫煙スペースにて4人で一服。

目に入った7・4ツーペアに音速で声かけ、3秒ルールは絶対だ。

愛と恋の違いオープナーから鮮やかにオープン。

7は関西出身22歳、森泉似の目鼻立ちのくっきりした整った顔立ち。

明日には大阪に帰るとのこと。

出身地ネグ、血液型当てゲームで和む。

しかしなぜか番ゲまで至らず。

カトケンがドリンクフックをしかける。

(おいおい、お酒で釣るなんてまるっきりAFCじゃないか。)

このタイミングでスイッチしてサージングへ戻る

 

【25:30】

 

積極的にフロアを移動して声掛けするもヒットせず。

フロアとエントランスを繋ぐ通路で一息。

 するとさっきの森泉似の関西二人組がエントランスに向かってくのが目に入る。

 

ロミオ「なに?どこ行くん?」

森泉「人多すぎて楽しめんからジュマンジ行くよー、一緒にくる?」

 

むこうからの連れ出し打診。

 

イワセ「このまま連れ出そう」

ロミオ「いや、このタイミングで番ゲして放流しよう。最悪あとから合流できる。まだ慌てるような時間じゃない」

 

難しい判断ではあった。

ロミオの個人的な印象としては、単純にクラブを楽しみにきただけの感触がした。

即系でない案件とほかの箱に移動しても、この後にV2で待っているスト高との出会いを失うのではないか。

ロミオ「せっかくだからもうちょいⅤ2おるよ。俺らも3時頃には出るから、そしたら合流しよう」

合流の口実で番ゲ、そして放流。

結果として、関西組二人が即案件だったのかはわからない。

ただ、今思えばこのタイミングでの連れ出しも、可能性という意味ではあったのかもしれない。

 

【2:30】

 

しんご君とサージングしつつ声掛けするも、この時間帯、スト高は他の男とがっつり和みに入られている。

おいおい、、、ピークタイムが早すぎる。

我々は焦っていた。

連れ出し案件はあるものの、スト高は無し、フックも弱めで確実に連れ出せる自信がなかった。

ダンスフロア近くのバーカン近くで暇そうにしている二人組を発見。

学童関係の仕事、歳は忘れた。

4:7の4をロミオが担当。4彼氏なし、7彼氏あり。

このあたりから酔いと疲れが相まって、案件の管理がずさんになる。

連れ出し打診も今日は朝までクラブにいるとのこと。即系の匂いがしない。駄目だ。

番ゲはきっちりして放流。

 

【3:30】

 

完全にスト高は囲まれていた。

カトケンとイワセは見切りをつけてストに繰り出す。

売れ残りとダンスキチしか残っていないフロア。

ここが切り上げ時、連れ出し打診のタイミングだった。

連れ出し案件に一斉にLINE送信。

応答があったのは関西組のみ。

けやき坂近くのクラブColorにいるとのこと。

今から向かう旨を返信し、ロミオとしんごはV2を後にする。

 

【4:00】 Color

 

4,000円のエントランス料を払いフロアへ。

円形のホールに正面がDJブース、その円の反対側にバーカウンター。

なかなかお洒落な作りだなと感じた。

フロア内を移動し関西組を探す。見つからない。

LINEで連絡を試みるも応答なし。

VIPに吸われたか、すでに連れ出されたか。

敗戦モード濃厚だったが、ここで勝負を投げ出すわけにはいかなった。

ロミオの脳裏ではスラムダンク安西先生がこう呟いていた。

 

「諦めたら、そこで試合終了ですよ」

 

バーカンで飲み物をもらっているとタイミングよく二人組を発見。

6:5のツーペア

3秒ルール。しんご君が6に店内ギラをしかける。

このあたりの順応性は若さゆえか。

その間ロミオは5の対応。

彼氏何人いるのルーティーン。

 

5「6はビッチなんよー!」

(なんだこれは?IOIか?)

 

しかし深い和みに入る隙もなく、お立ち台に逃走を許す。

 (っ糞ビッチが、、、)

 

その後もサージングしつつ声掛けするが、Ⅴ2同様にこの時間となると有力案件はがっつり和みに入られている。

さすがに今から放流する馬鹿はいなかった。

 

【5:00】

外に出ると、そこには憔悴した顔のカトケンとイワセがいた。

もう朝だった。明るい朝日を見て、ロミオは敗戦を認識した。

 

■成果と反省

・ピークタイムの見極め

0時から爆発的に人が増えて、3時にはスト高が消えるのがⅤ2。それを把握していなかったのは大きな敗因だ。2時以降になると連れ出しに向けてライバルも積極的に放流しなくなる。0時~2時の間にどれだけ有力案件を作れるか。これは次回の課題としたい。

 

・和みスポットに定位置化

今回は定位置を決めずに、サイージングをまめに行いながら目についた案件に声掛けしていた。しかし、フロアが賑わってくるとエントランスとフロアと繋ぐ通路脇、窓際の喫煙スペース以外では深い和みが難しくなる。次回は通路脇をロミオゾーンとして、基本は定位置で網を張るスタイルで臨む。

 

・無計画が招く具体性の欠如

俺たちは勢いだけだった、六本木の地理にも疎く、連れ出し先や具体性のある戦略を持ち合わせてはいなかった。目標だけを高く設定し、それに至るプロセスを描けていなかった。まさに絵に描いた餅。愚行である。次回は30分刻みのタイムスケジュール、使用ルーティーンの選定、連れ出し先の選定、アプローチ対象の明確化、これらを念入りに行った上で、目標を遂行する。